クラシックおすすめ作曲家 ロマン派 ラフマニノフ

セルゲイ・ヴァシリエヴィッチ・ラフマニノフ

ロシア🇷🇺

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先述のスクリャービンのライバル。モスクワ音楽院に学び、ピアニストかつ作曲家として活動した。1917年のロシア革命の際にロシアからアメリカに亡命、以後はアメリカで活動をし、1943年にビバリーヒルズで亡くなった。後期は時代的にはロマン派ではないが、決してロマン派から逸脱することはなかった。卓越したピアニストだったため、ピアノ曲がほとんど。短調の曲が多い。筆者のお気に入りの作曲家。

 

有名な曲

前奏曲第一番(ピアノ) 嬰ハ短調

通称「鐘」と呼ばれているが、元々「鐘」という作品があるのでここでは呼ばない。浅田真央選手はバンクーバー五輪ショートプログラムでこの曲を使った。ラフマニノフの作品の中で最も有名。しかし、この曲が有名過ぎて他が霞んでしまうのをラフマニノフは嫌っていたらしい。ロシアの厳しい冬を思わせるような暗い旋律と最後の重厚な和音がカッコいい。

 

ピアノソナタ第2番 変ロ短調

技巧的に難関な、ロマン派を代表するピアノソナタの一つ。冒頭はロシア正教会の鐘を思わせる。非常に複雑で、技巧的にも難しく、解釈も難しい作品。

 

楽興の時 第一番から第六番(ピアノ)

楽興の時とは、ロマン派の時代に流行ったピアノ小品(短いピアノ曲)の種類だが、これといった意味はない。ラフマニノフらしい旋律美に溢れた曲集。

 

練習曲集「音の絵」

ショパンの練習曲にインスピレーションを受けて作曲家したと思われる。曲は変化に富んでおり、聴く分には楽しいと思うが、技術的に難しい曲が殆どで、弾くのはキツい。

 

ピアノ協奏曲第一番 嬰へ短調

ラフマニノフが学生の時に書いた、ラフマニノフのデビュー作。第一楽章冒頭の金管楽器のファンファーレと、華やかで重厚なピアノがめちゃくちゃカッコいい。メロディーもロマンチックで何回でも聴ける名曲。

 

ピアノ協奏曲第二番 ハ短調

ドラマ「のだめカンタービレ」で使われ、浅田真央選手がソチ五輪のメインプログラムで使ったラフマニノフの代表作。ソチ五輪を見た人は、聴いたことのある人も多いと思う。公演の失敗から精神病を患っていたが、医師のニコライ・ダーリの心理療法によりやる気を取り戻し、この曲を書いた。第一楽章はいきなりピアノの独奏から始まり、遠くから聞こえる鐘のような和音がとても印象的だ。メロディーもラフマニノフ特有の息の長さで、感動的。第二楽章はフランス映画「逢引き」で使われ、悲しげだがどこか希望があるような旋律が魅力的で泣ける。第三楽章はロシア舞曲っぽく、技巧の見せ所。最後はラフマニノフお得意の重厚な和音の連鎖が続き、クライマックスを迎える。

 

ピアノ協奏曲第三番 ニ短調

ピアノ協奏曲の中では最難関と言われている。第二番と共によく弾かれており、特に第一楽章のカデンツァ(ピアノ独奏の見せ所)はすごくカッコいい。第二番と共にラフマニノフの最高傑作といえる。

 

ピアノ協奏曲第四番 ト短調

ラフマニノフの最後のピアノ協奏曲。彼のピアノ協奏曲の中では1番影が薄く、他に比べたら録音や演奏は少ない。しかし、曲としてはすごくカッコよくて、ラフマニノフらしさに溢れている。

 

パガニーニの主題による狂詩曲

パガニーニのカプリス第24番に基づいた、ピアノとオーケストラのための変奏曲。特に第18変奏が有名で、ラフマニノフらしいロマンチックで美しい旋律が使われている。

 

チェロソナタ ト短調

ラフマニノフ唯一のチェロソナタラフマニノフがピアニストだっただけに伴奏のピアノは技術的に難しい。ピアノ曲に比べたら影は薄いが、とても綺麗な曲。

 

ラフマニノフはとても綺麗な旋律を用いた曲が多いため、とてもおすすめの作曲家だ。次回はついに近代・現代に移る。Всем пока!