ヨーロッパの民族と言語

周知の事実だが、ヨーロッパではドイツ語、英語、フランス語、イタリア語などの多くの言語が話されている。ヨーロッパの言語を複数習った人ならわかるかもしれないが、複数の言語に同じような単語が見られる。たとえば、フランス語で「こんにちは」を意味するBonjourやイタリア語のBuongiorno、スペイン語のBuenos díasは全て同じ語源を持つ。英語のGood morning やドイツ語のGuten Morgenも同様だ。なぜこのような現象が発生するのか。それは複数の言語や民族が同じグループに属するからだ。

 

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上の図はヨーロッパの民族と言語の分布を示している。ヨーロッパの民族は大きく分けてゲルマン系、スラヴ系、ラテン系がいる。民族や言語の詳しい分布は以下のようになっている。

赤: ゲルマン系(ドイツ人、オランダ人、アングロ・サクソン人、デーン人、ノルウェー人、スウェーデン人など) 主な言語は英語、ドイツ語、オランダ語デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語など。

青:ラテン系(イタリア人、フランス人、スペイン人、ポルトガル人、ルーマニア人、モルドヴァ人など)主な言語はイタリア語、フランス語、スペイン語ポルトガル語ルーマニア語など。

緑:スラヴ系(ロシア人、ポーランド人、チェコ人、スロヴァキア人、スロベニア人、クロアチア人、セルビア人、マケドニア人、ボシュニャク人など)主な言語はロシア語、ポーランド語、チェコ、スロヴァキア語、セルビア語、クロアチア語スロベニア語など。ロシアやブルガリアなどの正教会信者が多い国ではキリル文字(здравствуйтеなど)、カトリック信者が多い国ではラテン文字(Adhdlfndなど)が使用される。

スペイン・フランス国境:バスク人 民族系統は不明。バスク語とフランス語/スペイン語を話す。

フィンランドノルウェー北部・スウェーデン北部・ハンガリーエストニア:フィン・ウゴル語派(アジア系)。ハンガリー人は日本語と同じように名前を姓、名の順に書く。

アルバニア:アルバニア語、民族系統不明。

リトアニアラトビア: バルト・スラヴ語派に属するバルト人。リトアニア語とラトビア語。

フランス語北東部とスコットランドウェールズ:ケルト語派。ヨーロッパの先住民族であるケルト人が住んでおり、イギリスではスコットランド語、ゲール語、そしてウェールズ語が話され、フランスではブルトン語が話される。

ギリシャ:インド・ヨーロッパ語族ヘレニック語派でギリシャ人の居住地域。主にギリシャ語が使用される。

 

このように、ヨーロッパには多様な民族が暮らしている。彼らの言語はグループに細かい分かれており、似ているものもある。たとえばゲルマン系のドイツ語とオランダ語、ラテン系のイタリア語とスペイン語は文法構造や語彙がそっくりで、双方の言語の知識がなくても理解できる。これを言語学の言葉で「相互理解可能性」(mutually intelligible)という。実際、私もドイツ語を習っているため、オランダ語は読めば大体理解できる。是非みんなにも、ヨーロッパの言語に挑戦し、ヨーロッパの文化をもっと理解して欲しいと思う。

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